T room
edited by takuya yamada

オーストリア

シュタイナー邸

住宅
設計:アドルフ・ロース
ウィーン 竣工1910年

ウィーンの西南西、シェーンブルン宮殿の西側にはアドルフ・ロース設計の住宅がいくつかあり、そのうち4つの住宅を散策する機会を得た。住宅群の中で一番古い住宅が1910年竣工の、このシュタイナー邸である。竣工した1910年はウィーンの中心部にあるミヒャエル広場に面した店舗+集合住宅であるロースハウスの現場が進行中であった。
 
シュタイナー邸はロースハウスのように、白くフラットな壁面で作られた初期の住宅である。(現在の建物は再築)
前面道路からファサードを見るとヴォールト屋根に欠き込まれたフラットな壁面の形状により2階建てのように見えるが、3階+半地下建て。ヴォールト屋根上部の部分は物置などの部屋になっており、見かけよりも広い床面積を包含している。特徴は、北面と南面のファサードがほぼシンメトリーになるようにつくられており、南面は残念ながら道路側から見ることが出来ないが、3層のシンメトリーで無駄な装飾の無い幾何学的な形のファサードである。興味深いのが1階の平面計画が立面と同じようにシンメトリックなところである。例えば玄関はポーチ左右に同じような入口があり、右がホール、左がキッチンとシンメトリーになっている。部屋の広さもほぼ同じ大きさであるが、ホールに1、2階専用のL字型メイン階段を設けることでキッチンとホールの差別化を計っている。また、L字階段とシンメントリーの位置に地下から3階まで螺旋階段が垂直に貫いており、効率の良い動線計画になっている。

 
  

google mapより引用

 
google earthより引用

Adolf Loos Leben und Werke(DVA)より

Adolf Loos Leben und Werke(DVA)より