T room
edited by takuya yamada
オーストリア
ショイ邸
住宅
設計:アドルフ・ロース
ウィーン 竣工1912年
ホーナー邸と同時期に竣工したショイ邸。前面道路から見えるファサードが前の2作品(シュタイナー邸・ホーナー邸)と違った印象を受ける。それはヴォールト屋根ではなくフラットルーフになっていることもあるが、テラスという要素が新たにプラスされていることも一つの要因であろう。
道路側ファサードを見るとそのテラスの側面が段々状に見えて面白い。テラスは各階の個室からそれぞれアプローチ出来るようになっているが、テラスに対してはよくありがちな全面開口ではなく、ドアとその両脇の窓と上部のガラスブロックで構成された開口部で、他の面の窓と調和がとれている。建物を段々状にすることで建物の屋根でありベランダであるというシンプルなアイディアは形態と機能の両方を同時に満足されていて好感が持てる。ロースは1910年アレキサンドリアの百貨店の計画案をつくっており、その建物の屋上にピラミッドのような段々状テラスを大規模に設けていた。このテラスを段々状にするというアイディアは既にその時にイメージされていたようである。
この後も繰り返し段々状の案は登場するようだが実現した住宅は他に無い。